いいともとタモリの使命

いいともが3月で終わるそうで。
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20131022-1207699.html


あの頃から少しずついろんなものが変化してきたけど、
友達の輪だけは変わらなかった。
毎日12時になると、タモリが歌いながら登場する。
タモリは少しだけ踊って、きれいにお辞儀をする。
踊り疲れたタモリは友達の輪を覗き込む。

少ない例外はあるものの、タモリはほとんどの場合友達の輪の外側に立っていた。
友達の輪をみつめるタモリは、どのような目をしてそれを見つめていたのだろうか。


既に友達の輪は失われてしまった。
いつ失ってしまったんだろう。
誰もが大人になるにつれて、友達の輪というものを信じる力が弱くなってしまう。
それでもタモリは友達の輪に寄り添う。
いつしか覚めてしまうであろう子供たちのために、タモリはそこに立っていた。
まるでパントマイムのように、子供たちに存在しない友達の輪を見せ続けていたのかもしれない。


それが一変したのが今年の友達の輪の廃止だった。
次代の子供たちに友達の輪というものの存在を認識させ、それを確信させること。
そしていつか彼らが世の中に本物の友達の輪を作り上げること。
それこそが国民的番組となったいいとも、そしてタモリの使命だった。
友達の輪がなければ、いいともを存続させる意味はない。
他のくだらないバラエティ番組と何もかわらなくなってしまう。
どのような経緯で番組の終了が決定したのかはわからないが、
友達の輪の廃止がその大きな原因となっているのではないだろうか。


いつか僕が肉体を失った時、
僕の意識と友達の輪はあの頃のタモリの待つスタジオに飛ぶだろう。
その時のために、自分なりの友達の輪を少しずつでも良いものにしていければと考えている。


うそだけど